社史編集者が教える、社史制作前に考えるべき5つのこと

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「創業100周年史」「創業者である社長が70歳を迎えた記念誌」「海外進出10周年記念誌」……近年、さまざまな節目を理由に、社史制作を検討する企業が増えてきました。その内容も形式にとらわれず、その企業のカラーを前面に打ち出したユニークなものが多くなっています。企業社史編纂に携わる編集者が、社史制作を始める前に考えておくとよい5つのことをピックアップしてお教えします。

1.「誰に、何を伝えたいのか」社史を作る目的を明確に!

「社史を作ろう!」と思い立つきっかけは、「創業○周年を迎えること」が多いのではないかと思います。
しかし、きっかけが同じでも、実は社史制作の目的はさまざまです。節目の年に集大成となるものを作りたい。お客様や取引先様に感謝を伝えたい。創業者としての実績を形に残したい。これまで頑張ってくれた社員の励みにしたい。もちろん、これらすべてが目的となる場合もあります。誰に、どんな内容を伝えるための社史なのかが明確になれば、どんな社史にすればよいのかもおのずと決まってくるのです。これが最も大切な作業ですので、経営層を交えてとことん議論してください。
目的・意図が明確でないと、制作会社に依頼する場合にもイメージが伝わらず、納得のいく社史にならなかったり、修正作業などで時間や費用がかさんだりしてしまいます。逆に、目的がしっかり伝われば、制作会社の編集者やデザイナーからプロならではの適切な提案をしてもらえます。

2.よい社史制作には1~2年かかる!

「創業50周年は来年だから、そんなに急いで社史を作らなくてもいい」
ちょっと待って!
社史制作には最低でも1年、本来なら2年以上かけたいところです。

「社長への取材が急な用事でキャンセルになり、なかなか代替日が設定できない」
「校了直前に昔の写真が大量に見つかり、急遽ページを増やして掲載することになった」
「最初は掲載NGだった前社長が、急に載せてほしいと言い出した」
「掲載予定だった社員が急に辞めることになり、ページが空いてしまう」
「社史制作担当者が体調を崩し、引継ぎをしなければならなくなった」

慣れない社史制作にはトラブルがつきもの。上記は、どれも社史制作中に実際に起きたことです。
社史編纂は企業の周年行事の一環として行われることが多く、記念パーティー等に間に合わせなければならないことが大半です。納期を遅らせることができない場合が多いので、スケジュールには十分すぎるほどの余裕をもっておきましょう。

また、せっかくの記念となる社史です。社員全員が納得し、作ってよかったと思える素晴らしい社史になるよう、事前のヒアリングや資料集めにもじっくり時間をかけて内容を決定したいものです。
そして、意外と時間がかかるのが校正作業です。お客様や取引先様の目に触れる社史ならなおさら、記載事項に間違いがあってはなりませんし、単純な文字のミスなどでも企業の恥になります。複数人の目で、落ち着いてしっかり確認できるだけの時間を確保しましょう。

3.決められた予算内で最大限のクオリティを!

「アルバイト・パート・社員全員に取材して記事にしたい」
「せっかくだからお客様からもお話を伺いたい」
「あの著名人からお祝いの言葉をいただけないか」
「フルカラーの豪華な装幀にしたい」

社史を作り始めると、さまざまな要望が出てくるようになります。思い入れが深いほど、内容も装幀も立派で完璧なものにしたい!と思うのは当然です。
しかし、こだわればこだわるほど制作費がかかるもの。取材件数を増やせばライターやカメラマンの手配料が上乗せされますし、高価な紙、鮮やかなインク、箔押し加工などを加えれば印刷費も跳ね上がります。まずはどれだけの予算が確保でき、そのなかでどこまで実現可能かを把握し、取捨選択していく必要があります。制作中に費用について頭を悩ませないためにも、予算とクオリティの兼ね合いについては事前に関係者間で入念にすり合わせることが不可欠です。

4.組織改編は社史制作前に!

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社史には、最新の組織図や会社概要、各部署の紹介等を掲載することが多いものです。だからこそ、組織改編や新規部署開設を考えている場合は、できるだけ社史を制作する前に完了させておくべきなのです。

こう聞くと、「当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、実際には社史制作後に組織図が変わることが少なくありません。というのも、社史に掲載するために改めて組織図を見直し、何度も校正作業をしていくうちに「この部署とこの部署は統合してもよいのではないか」「ここに新規部署を立ち上げれば業務がスムーズなのではないか」などといった課題に気が付くことが多いためです。

社史制作が組織強化につながることは喜ばしいことかもしれません。しかし、せっかく制作した社史がすぐに旧バージョンになってしまうのは避けたいもの。「社史の制作を思い立ったら、まずは組織を見直す」くらいの姿勢が必要ではないかと思います。

5.いかに社員を味方につけるかがカギ!

社史制作は、ほとんどの場合、任命された担当者数人が主軸となって、経営層の判断を仰ぎながら行います。ですがそうしてできあがった社史は、はたして社員に読まれるのでしょうか?読まれない社史を作ることほど骨が折れることはありません。では、どうすれば「読まれる社史」になるのでしょうか。答えは簡単、「社員にも当事者になってもらう」ことです。

社史編纂には、歴史にかかわる資料集めや社員へのヒアリング作業が伴います。その際に、いかに社員たちを味方につけるかがコツ。「何か資料をお持ちの方はご連絡ください」ではなく「○○の情報、○○の時の写真を探しています!」と具体的に呼びかけ、持っていそうな人には積極的に声をかけます。そして「○○さんからこんな情報提供があり、助かりました!」「この写真がここに使われます!」などと、進捗をきちんと周知するのです。表紙案を投票制にするなどして参加を促すのもよいですね。

また、可能であれば、できるだけ多くの社員の写真やメッセージを掲載するとよいでしょう。企業は人の集まりです。企業の歴史をまとめた社史に載ったとなれば、自分は大切にされている、期待されていると思うもの。所属する企業への関心も高まり、社史を手にとってくれるだけでなく、その後の仕事ぶりにも変化があるかもしれません。

「社史を作るなんて、大変そうだな」と思っているあなた。確かに社史編纂は時間も労力もかかる大変な作業ですが、事前準備と周囲の協力、そしてプロのノウハウをうまく借りれば大丈夫。なによりできあがった社史を見れば、大変さなんて吹き飛んでしまうほど感動することでしょう。

 

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