自分自身でデザインを起こすことができない場合、デザイナーにデザインをお願いすることになります。どんなデザインをして欲しいのかをデザイナーに伝えなければいけませんが、その伝え方によってデザインが大きく違ってしまうことは言うまでもありません。そこで、これだけは「やってはいけない」デザイン発注の仕方を5つご紹介します。最低でもこの5つの禁忌は覚えておきましょう。
1、抽象的で擬音語が多い
「シュッとした感じで」「カッコ良く」「スタイリッシュに」「ドカーンってイメージ」といった擬音語が多いなど、あまりに抽象的すぎるデザイン発注を行うと、デザイナーとの間にイメージのズレが発生しやすく、大幅な修正が必要になることがあります。
デザイナーがイメージしやすいように他社の参考事例を添付するなど、具体的なイメージを伝えるとやり直しも少なくなります。
2、「デザインはお任せします」
トラブルに発展するよくある発注方法が「デザインはお任せします」です。結果、イメージと違うことになり後から具体的なイメージを添えて再発注することになってしまいます。その場合、時間も余計にかかるだけでなく、全く違うものを作らなくてはいけないということで経費も余計にかかってしまうこともあります。
発注者側にまだ確固としたイメージがなく、明確で具体的な指示が出せない場合でも最低限、何を押さえておいてもらいたいかという情報は共有しましょう。それすらないような状態ではまだデザインの発注を行う段階ではないはずです。
3、後出しの注文が多い
一度完成したデザインに対して後からあれもできないか、これもできないかと可能性を広げる発注の仕方をすると、元々もらっていた指示の原型がなくなり、全くコンセプトの異なるデザインになってしまいます。すると、方向性を見失ってしまい、結局最初のものに落ち着くということになりかねません。
修正に関しては幅を広げるよりもむしろ狭めるような方向で指示することによって遠回りせずにデザインを導くことができます。
4、社内のコンセンサスが取れていない
社内での意思疎通もデザインを仕上げるためには重要なポイントです。デザインは人の好みが分かれやすい項目です。そのため、「自分はOKだったけど、上司に確認したらダメでした」ということもあり得ます。
最終決定者は誰なのか、これで本当に進めて大丈夫なのか、しっかりと社内でコンセンサスを取っておきましょう。
※コンセンサス:複数の人による合意・意見の一致
5、たたき台の程度が不明瞭
たたき台とはデザインを作り込む前のラフデザインのことです。これも非常に曖昧なので、上がってきたたたき台のデザインでは打ち合わせにならないこともあります。
たたき台に修正を入れていては時間も労力も無駄にするだけで、結局打ち合わせに間に合わなくなってしまいます。たたき台をどの程度まで作って欲しいのか、なにが表現されていれば良いのか具体的にデザイナーに伝えましょう。
いかがでしょうか?ここで紹介したような発注方法をされてしまうと、デザイナーがデザインを起こすのに時間もかかってしまう上に、イメージしていたものとの差が開いてしまいやすく、修正回数も修正の難易度も上がってしまいます。これだとお互いに不幸ですよね。デザイナーに発注する際には、ぜひとも意識してみてください。