印刷物やWebサイトを製作するときに、重要な役割を果たすのが「図版」です。図版とは何か、その有効な使い方や効果について、当社のデザイナーが説明します。
図版とは
印刷物やWebサイトで掲載されるコンテンツの中で、表、グラフ、地図など、視覚的に情報を表現するものをまとめて図版といいます。コンテンツを制作する際に、本文の記述以外にメッセージを伝える手段として使われるますが、情報整理のために、そして読者の理解を助けるためにも有効なものです。
図版の役割
図版は視覚的に情報やデータを表現することで読者の理解を助けるという重要な役割を果たします。例えばグラフやチャートはテキストだけでは読み解くことが困難な数値データをひと目で把握するのに役立つという視覚的な効果があります。
また図版はテキストが並ぶコンテンツの中で、重要なポイントを強調し読者の関心を喚起します。図版には説明を補完するという役割もあります。視覚的な説明が読者の理解を深めてくれます。テキストだけが並ぶコンテンツは「文字文字(もじもじ)している」と敬遠されることが多いので、図版を入れることでコンテンツの親しみやすさや読みやすさに貢献してくれます。
さらに、高品質な図版の利用は、プロフェッショナルな印象を読者に与えコンテンツの信頼性を高めてくれます。
図版とイラストの違い
図版と同じようにコンテンツに彩りを加えるものにイラストがありますが、図版とイラストの違いはどこにあるのでしょうか。図版はコンテンツに記載された情報の「関係付け・位置付け」が表現できます。文字で書かれた内容を立体的に捉え、情報を明確化してくれるものです。一方のイラストはイメージを具体的に伝えたい場合に有効です。図版は論理的な存在で、イラストはイメージを表現するものといえるかもしれません。
例えば、ピクトグラムは公共の場で、トイレやエレベータ―、非常口などの位置を示したり、オリンピックなどで競技を示すアイコンとして使用されたりするものとしてすっかりおなじみとなりました。視認性に優れ、意味の誤認識を起こしにくく、さらには案内板として長期間掲示されても目になじむ、そして、公共性に優れたデザインであるという意味ではピクトグラムは究極の図版だと考えます。
図版を作る際には、次のような工夫も行います。例えば日本地図は、小学生向けの教材で使用するものだと県境や行政区域の境などを正確に書き必要がありますが、社内報や雑誌などで、地域別に数値を比較するときなどは日本の姿を正確にする必要はなく、ドットで国土の形を作ったり、立体的にしたり、制作するものテイストに合わせてデザインの表現を変えていきます。
ユニバーサルデザインも取り入れて
図版を効果的に使用できると書籍や雑誌、Webサイトなどのコンテンツがグッと分かりやすくなります。私たちデザイナーもそうした効果を意識して、日々制作に携わっています。
例えば、注目されているユニバーサルデザインは、年齢、障害の有無、文化や言語の違いなどに関係なく、誰もが使いやすいデザインを目指すものですが、より多くの人々が情報にアクセスし、利用できるようになるため、私たちも意識して取り入れることがあります。
発行する書籍や雑誌、Webサイトのデザインテイストに合わせる事で、まとまりのある成果物が出来上がります。ご相談いただければ、コンテンツをより効果的にする図版を提案させていただきますので、ぜひお問い合わせください。