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2015年1月14日更新
はちイラストレーション:山田 詩子









逢坂剛 「百舌の叫ぶ夜」
昨年ドラマ化され、2015年映画化も決定している「MOZU」の原作。
ドラマはすでに観ていて、原作は以前から気になっていたので、この機会に一念発起して読んでみようと思いました。
「百舌」という鳥をキーワードに、様々な事件が発生していく「百舌シリーズ」の第1弾。
爆破事件で妻を殺された公安刑事が、事件の真実を突き止めようと奮闘するハードボイルド小説で、派手なアクションから緻密な人物描写まで、息もつかせぬストーリーが展開していきます。
西島秀俊さん主演でドラマ化もされたこの作品ですが、正直読む前は抵抗感がありました。というのも「百舌の叫ぶ夜」が書かれたのは1986年、バブル全盛期。
ドラマの先入観があるので、時代設定的に違和感を感じ、途中で読むのを投げ出してしまうのではないかと思いました。
しかし、そんなことはありません。
読んでみると、当時を感じさせる描写はなく(しいて言うなら、「中森明菜」「積木くずし」「シンナー」など当時話題だった言葉がでてきた位)今読んでも違和感なく物語を堪能できました。逆にドラマを先に観ていたおかげで、登場人物やシーンが脳内でうまく補完され、より深く物語を楽しめました。
原作なので、読んでからドラマを観てもいいですが、小説をあまり読まない人(私など)はドラマを観た後で読むと楽しみやすくなるので、小説をあまり読まない人にもおすすめです。


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