これまでパンフレットの作成を発注した際に、出来上がったデザインを見てイメージと違うと思ったことはありませんか? 打ち合わせの段階では、これまでの制作実績から信頼できそうな制作会社だなぁと思っていても、最初のデザイン提出で期待外れに感じてしまうこともあります。もちろん、デザインのテイストは最終的には好みの問題ですから、一発でバチッとはまらないことは珍しいことではありません。ある意味、最初のデザイン提出はズレを埋めるためのステップなわけですから、次の機会に挽回できれば問題ないのですが、何度提出しても「こういうことじゃないんだよなぁ」となり、余裕があったはずの納期が近づいてくる・・・。非常にストレスのたまるやりとりですよね。こうしたことを防ぐためには確認作業を徹底しておく必要があります。
デザインのイメージは既存のパンフレットから決める
デザインのイメージを口頭で伝えるのは非常に難しいものです。なぜなら、実際に見たことのない理想を語ってもらうわけですから。しかし、これを適当にすませてしまうと、発注側・制作側の双方の完成系に対するイメージにズレが生じてしまい、何回やってもうまく行かない泥沼状態に陥る可能性があります。こうした事態を防ぐため、ウララの場合は、最初のヒアリングの段階で制作実績をまとめたカタログとピックアップした実物をいくつかお持ちいたします。社内に約20人、社外に約20人のデザイナーとのネットワークがあるため、デザインのバリエーションは豊富です。何十パターンのデザインを見てもらい、制作予定のパンフレットのイメージに近いテイストを示してもらうことで、双方の間でズレが生じないようにしています。デザインの良し悪しは感覚的なところがあり、A社が絶賛するデザインも、B社にとってはイマイチということもあります。だからこそ、どういうデザインが御社にとっていいものなのかをキックオフの段階から制作サイドが把握しておく必要があるのですね。
担当者OK、だけど上長NGのトラブルを防ぐために
ただここで一つ注意事項があります。発注サイドにおいて、窓口となる担当者と決裁権のある上長の方とではデザインの好みが異なる場合があります。たとえば、Aさんの好きな色は緑でB部長の好きな色は青。出来上がったパンフレットはAさんが伝えたイメージを反映し、緑をベースにしました。そうすると社内確認において、B部長が「もうちょっとクールな感じがいいんだよなぁ」。そうなったら、作り直しになります。緑はクールさを表現するのに合わない色ですから。全ページに青がワンポイントに使われていたら、それらすべてを修正する必要があり、どうしても時間が必要になります。こうした事態を防ぐために、キックオフにおいては決裁権のある上長にもご参加いただきたいところです。もしそれが無理でも、キックオフの前後に上長の求めるデザインテイストのご確認を取っておくことをおすすめします。
パンフレットのデザイン作成は発注側と制作側が目指すべきところをしっかりと共有して、具現化していかなければなりません。そのためには、ウララではコミュニケーションが何よりも重要であると考え、既存のパンフレットを用い、決裁権者を交えたヒアリングをしています。デザイン提出において、「思っていたのと違う・・・」というトラブルが少ないのは、そうした姿勢によるものだと自負しています。