DeNAが運営する医療・ヘルスケア情報のキュレーションメディア「WELQ」が不正確な情報を発信していたとして大問題になったことを覚えている方も多いと思います。情報を発信する側に大きな責任があることを示したこの問題は、何もインターネットの世界だけの話ではありません。部数は少なくてもパンフレットや広報誌等の紙メディアでも他山の石として情報の扱いに留意すべきです。間違った情報を掲載すればユーザーからの信頼を失い、会社の存続にまで影響を与えかねない時代なのです。
ではどうすれば情報の正確性を担保できるのでしょうか?いろいろな方法がありますが、有効な手段として監修者を立てることが挙げられます。高度な知識を持っているライターが文章を書いたとしても、医者など専門家でない限り分からないことは数多くあります。誤解や思い違いで間違ったことを書いてしまう可能性もあるのです。それを防ぐのが監修者です。専門知識を豊富に持つ大学教授や医療従事者、医療団体などが制作に参加してくれれば、編集者やライターが見落としたことも指摘してもらえます。健康や医療、病院系の情報を扱う場合は、専門家からのGoサインがなく情報を発信するのはやめましょう。
監修者との打ち合わせで構成を決めましょう
よくある問題として、監修してもらいたい人に依頼しても、必ずしも受けてもらえるとは限らないことがあります。多忙を理由に断られることもありますし、ギャランティが合わないこともあるでしょう。なので、その分野の権威的な方、ユニークな理論を打ち出している方、著作が話題になっている方など、複数の候補者をピックアップしておくとよいでしょう。電話やメールでのやり取りを経て引き受けてくれるようなら、直接、監修者候補の方に出向いて、どのようなパンフレットの制作を考えていて、その構成はどうなっているのかを説明します。そこで、こちらが検討している構成案に問題がないかを確認し、意見交換をしましょう。専門家の視点から、このテーマの啓蒙をするならここは必要ない、こうした方がいい、これはダメだという忌憚のない意見こそが、パンフレットの価値をグッと上げるためのヒントになるのです。
専門家にしかできないチェックの仕方がある
構成案が決まったら、監修者への取材・質問を経てライターに文章を書きおろしてもらいます。それをデザインして、パンフレットの形が出来上がったら、校正の確認をしてもらいます。校正は大きく言うと二つの意味合いがあり、誤字脱字のチェックと情報の整合性のチェックです。監修者の方には、後者のチェックを依頼することになります。これは医学的見地や薬事法、健康増進法など高い専門的知識がなければできないことなので、パンフレットの最終確認には必ず監修者に立ち会ってもらうようにしましょう。
健康関連パンフレットを制作したくても、監修者への依頼の仕方が分からない。そんな時は、医療、健康、病院等で豊富な実績がある編集制作会社に依頼するのが一番です。実績があるということは監修者の候補を数多くもち多様なメディカルネットワークがあると考えられるからです。餅は餅屋に頼む。これが情報の正確性を担保したパンフレットを作成する最大のコツといえるでしょう。