近年、外国人観光客が増加しています。10年前と違うのは、東京や大阪、京都など海外でも有名な日本の都市にばかり外国人観光客が来訪するのではなく、地方都市にも観光客が増加しているということです。そのため、外国人観光客の受け入れは地元企業にとっては重要課題となっています。外国人観光客の受け入れ態勢を整え、お互いに良い関係を築いていきましょう。
なぜ外国人観光客は日本に来るのか
外国人観光客は何を目的として日本を訪れているのでしょうか。彼らの目的を知ることができれば、目的を達成するため、満足してもらうための手助けができるかもしれません。外国人観光客については国や自治体で調査を行っていますので、それらのデータが参考になります。
観光庁が行った外国人旅行者のニーズ把握調査によると、約87%が観光目的で来日しています。どんな観光を期待して来ているのかについてトップ3となっているのは、「日本の食事」「ショッピング」「温泉」です。
この報告書では英語圏と中国語圏ごとに情報も見ることができ、それぞれの目的の違いについても確認できます。英語圏(欧米諸国)の観光客は日本の風景や文化を目的に、中国語圏(アジア)の観光客はショッピングを主な目的にしています。地元を訪れる観光客はどちらが多いのかによって注力するものが変わってきますね。
情報収集のサポートが重要!
外国人観光客はそのほとんどが来日前にインターネットで情報を調べた上でやってきます。旅行中にも当然インターネットで検索して最新情報を入手して旅を続けている観光客がほとんどです。そのため、英語や中国版でのウェブサイト開設も一つのサポートになるかもしれません。
ところが、外国人観光客にとって、大きな不満となっているのが「英語」と「WiFi」の二つのサポートです。事前にわからなかった内容について現地で誰かに聞きたくても英語が話せる日本人がいない、インターネットで調べたくてもWiFiスポットがなく情報収集に困っているのです。コインロッカーの使い方がわからない。行きたかったお店が閉まっていたので代わりのお店を調べたい。などなど、現地に来て困ることがたくさんあるのに、現地で情報を得る手段が少ないのが実情です。
英語を話せる人を増やすことは一朝一夕にはいかないかもしれませんが、外国人観光客が使えるフリーWiFiを設置するのはそれほど難しいことではありません。フリーWiFiがあるというだけでも外国人観光客は入店してくれる可能性が高まるでしょう。
日本の食べ物は未知の食べ物?
埼玉県川島町の郷土料理「すったて」をご存知でしょうか?ごま、みそ、野菜などの具材をすり、水を加えた出汁でうどんを食べる料理のことです。日本人でも地元でなければイメージのできない料理はもちろん、聞き覚えのある名古屋の「ひつまぶし」、甲府の「ほうとう」なども外国人にとっては名前だけ言われてもよく分からない食べ物です。調査報告にもあったように、外国人観光客は日本食を本当に楽しみにしています。しかし、どんなものかわからない料理を注文するのはハードルが高いものです。
メニューやパンフレットを外国人向けに作り直すのであれば、単にメニューを翻訳するだけではなく、料理の写真と簡単な説明文を載せると親切ですね。
絵は万能の言語
「うちに来てくれる外国人に向けて外国語でパンフレットを作ろう!」と意気込んでも、英語、中国語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、タイ語・・・と世界中の言語でパンフレットを作っていてはきりがありません。そこで活躍するのが絵、ピクトグラムです。トイレの男女マークなど言語によらず誰もがイメージで理解できる絵や写真を活用することによって旅行者の不安を取り除くことができます。
外国人観光客のサポートをしっかりと行い、満足度を高めることで、大きな集客につながる可能性があります。初めは慣れないことばかりで戸惑うこともあるかもしれませんが、お互いに理解を深め合うことで良い関係が築けるようになるでしょう。