50歳以上の人口が5割の時代の「シニア向け」コンテンツを作るコツ

2024年の統計では、日本の人口のうち約29%が65歳以上の高齢者となり、50歳以上の人口が全体の5割を占めています。少子高齢化が進む中、中高年世代の顧客を多く持つ企業やこれからシニアマーケットに進出しようという企業では、こうした世代に向けて自社のサービスや商品をどのようにプロモーションするべきか、お悩みを抱えているかもしれません。中高年世代やシニア層に向けたコンテンツを企画するときには、どんなことを考えればよいでしょうか。

目次
  1. 「シニア」とはいったい誰ですか?
  2. ターゲットを絞りたいなら「○○世代」でくくろう
  3. こんな表現が読者を傷つける
  4. 誌面のデザインで気をつけたいポイント
  5. 制作会社に発注するときのポイント

「シニア」とはいったい誰ですか?

コンテンツ制作のターゲットを考えるうえで、つい「中高年・シニア向け」とひとくくりにしてしまいがちですが、その年齢層は幅広く、50代、60代、70代、それ以上の年齢の人がいます。それぞれの年代によって育った時代や環境は異なり、価値観や趣味も多様です。また、年齢問わず、今流行している新しいものが好きな人もいれば、自分の青春時代に好きだったものを今でも大切にしている人もいます。

ひと昔前までは「お年寄りといえばこういうものだ」というステレオタイプのイメージがありましたが、現在では通用しなくなっている考え方です。ターゲットのペルソナ設定では、年齢とともに、具体的な生活スタイルや価値観、趣味嗜好などを詳細に検討することが必要です。

ターゲットを絞りたいなら「○○世代」でくくろう

ターゲットにしたい年代がある程度絞られているときには、「世代」でくくるという手法もあります。例えば「昭和世代」というワードでくくれば、平成以降に生まれた若い世代をターゲットから外すことができます。

他には、ある特定の時期に流行したキーワードをキャッチコピーに入れることも有効です。当時の人気商品やレジャー、スポーツ選手の名前やテレビ番組名など、そのキーワードを知っている年齢層にターゲットを絞ることが可能です。

こんな表現が読者を傷つける

中高年・シニア向けコンテンツの制作で一番気をつけたいことは「年齢」を感じさせる表現です。誰でも年を取ることは当たり前ですが、自分の「老い」に直面することは思っている以上にショックを受けるものです。「年齢」を感じさせる表現を盛り込んで、読者を「年寄り扱い」しているように思われないよう注意が必要です。

具体的に気をつけるべきポイントには以下のようなものがあります。

老化現象、寿命、不健康を強調する表現

「物忘れが増えた」「耳が遠い」といった老化現象は多くの人が抱える悩みですが、そうした表現をすることによって読者のコンプレックスを刺激してしまう恐れがあります。また、「死」に関する話題や病気、不健康に関する話題も、表現の仕方によっては読者に不安を与えます。

わざとらしく「やさしい」表現を用いる

「お年寄りに難しいことを言ってもわからないだろうから」と、子ども向けのような、やさしい表現をわざと用いることは、読者の読解力を軽視することにつながり、自尊心を傷つけます。

暗くて地味な色合い

こげ茶色や濃い紫色、紺色など、暗い色や地味な色を多用すると「年寄りくさい」という印象を与えることがあります。シニア層の読者は「年寄り扱いされたくない」という気持ちから、「お年寄り向け」と分かるような地味なデザインの媒体を敬遠する傾向があります。

誌面のデザインで気をつけたいポイント

中高年・シニア向けコンテンツでは内容だけでなく、誌面のデザインにも配慮が必要です。「見やすさ」「読みやすさ」はどの世代向けの媒体であっても重要ですが、特にシニア世代向けの媒体で気をつけたいポイントは以下のようなものがあります。

文字の読みやすさ

老眼は遅くとも40代にははじまると言われており、目のピント調整機能が低下すると、細かい文字や色ベタに重なった文字が読みづらくなります。文字のサイズは大きくし、文字と背景のコントラストが明快な文字色にすることが重要です。また、文字の読みやすさを工夫した書体「ユニバーサルフォント」を使用することも検討しましょう。

配色は明るい色合いで、色数は増やしすぎない

シニア向けだからこそ、年代問わず誰にでも好まれるような、明るくいきいきとした配色にしましょう。ですが、使用する色数を増やしすぎると、読者は記事のどこに注目すればいいのか分からなくなってしまいます。メインで使う色とポイントで使う色を合わせて3~5色にすると見やすい誌面になります。

レイアウトはシンプルに

配色と同様に、文字、イラスト、図表などのレイアウト要素が多くなりすぎると読みにくくなります。シンプルな構成のデザインが分かりやすい誌面のコツです。

音声や動画の活用も検討しよう

説明が長い文章になってしまうときには、音声や動画で伝える方法もあります。紙媒体に二次元コードを掲載して、スマートフォンなどから音声や動画を利用してもらいます。読みづらい長文を読むよりも、イヤホンで音声を聞いたり、動画を視聴したりする方が読者の負担が減る場合もあります。

制作会社に発注するときのポイント

制作会社に発注するときは、ターゲットにする年代だけでなく、どういう価値観を持った人たちに見てもらいたいのかを明確に伝えましょう。デザイン制作では、明るいトーンで見やすく、読みやすい誌面設計をしましょう。「シニア向けだから」という固定観念にとらわれず、読者に寄り添ったコンテンツを制作することが、シニア世代の心をつかむことにつながります。

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