「今週中に企画書を提出しろ!」と上司からいきなり指示されて焦ったことはありませんか?
しかし、いざ「企画書を作ろう!」と思っても、頭のなかは真っ白…なんてこと、よくありますよね。
そんな初心者の方に向け、企画書完成までの道のりを雑誌編集者としての立場からご説明したいと思います。
そもそも「企画」「企画書」とはなにか
企画書を作るときに大切なのは、いかに相手に「納得」を与えるか、ということです。
そもそも「企画」とは、なんらかの目的達成や課題解決をできるアイデアやイベントなどを指し、「企画書」とは、そのアイデアを図面化したものを指します。
せっかく思いついた企画も、頭の中だけで完結させてしまったら意味がありません。企画書に落とし込み、第三者に伝える形にして初めて企画が実現性を帯びてくるのです。
では、まずは企画を考えるときの具体的な手順を説明していきます。
1.企画の方向性を考える
企画を考えるとき、ただ漠然と考えても思考がまとまらず時間が過ぎていくだけです。
そこで、まず大切なのは企画の方向性を考えること。具体的には以下の3STEPになります。
a.現状を分析する
b.課題を作る
c.解決策を考える
では、次からはこの3STEPを詳しく見ていきましょう。
a.現状を分析する
まず一番最初に行うべきは現状を分析すること。ここがはっきりしないと良い企画を作ることはできません。でも「現状を分析する」とひと言で言ってもどうすればいいのでしょうか。
たとえば私が女性向けビューティ誌を作っていたころは、毎週街頭に立ち、100人アンケートと称し道行く女性たちにアンケートを取っていました。そうすると、いま世の女性たちはどんな人に興味があって、どんなコスメが人気で、どのようなメイクが流行っているのか…ということをダイレクトに知ることができるのです。アンケート以外にも、読者を読んで座談会を行ったり、読者アンケートを読み漁ったりSNSを利用したりするなどして、かなりの情報を得ることができました。
「生の声」ほど価値のある情報はありません。さすがに街頭アンケートはハードルが高いかもしれませんが、自分の頭のなかだけで考えても、限界があるのは確かです。積極的にまわりの声を聞きに行き、企画の糸口を掴みましょう。特にウェブ上に様々な情報が溢れかえっている昨今、現場の情報はそれ自体がユニークな価値を持ちます。
b.課題を考える
さて、現状を分析したところで、次は課題を明確化していきます。「このような現状がある。そして、こういうところに世間は不満を感じている」ということが分かれば、おのずと課題は見えてくるはずです。
しかし難しいのが、課題が潜在化してしまっている場合です。その場合は、こちらが潜在化している課題を見出す必要があります。読者や顧客は、自分の要望を100%口に出すわけではない、ということも覚えておく必要があるでしょう。そのため、この反応にはどういった意図があるのだろう?自分であればどういった反応をするのだろうか?といった洞察も必要です。
中々余裕がないかもしれませんが、時には課題をあぶり出すために施策を打ったりもします。そうして最終的に課題が明確化されれば、たとえば出版業界ならムック本1冊のテーマにもなり得てくるのです。
c.解決策を提案する
さて、ここまで来たら企画の形を成すまであと一歩です。
現状ある課題に対してどのような策を提案すれば、より分かりやすく解決できるかを考えます。
たとえば雑誌や書籍ならば、人気のモデルにインタビューする、著名な先生に監修を依頼する…など様々な提案方法が考えられます。
もちろん、課題に対するアプローチの方法はざまざま。既存の枠組みに捕われず、自由な発想で考えてみましょう。また、同時にどのような「ツール」を使うのかを考え、解決策をより具体的にすることも大切です。
どんなに小さなことでも、「現状に対する不満(課題)」と「その解決策」があれば、企画につながっていく、ということを忘れないようにしましょう。
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出版・書籍制作
企画書を書く
企画を考えたら次はいよいよ企画書に落としこんでいきましょう。とは言っても、いきなり企画書を書こう!と思っても書けるものではありません。企画書には基本的な構成があるので、慣れないうちはその基本構成に則って書くのが良いでしょう。
企画書の基本構成は下記の通りになります。
- 表紙
- 目次
- 企画の目的
- 現状分析(市場調査)
- 企画の方針
- 企画のターゲットとコンセプト
- 販促計画
- スケジュール
- 収支計画
これらの情報を、パワーポイントでまとめていきます。
パワポを使う際の注意点
さらに、パワポを使う際は以下のことに注意しましょう。
- 見出しのフォントは36pt/本文は18ptくらいに(最低でも12pt)
- 最初にざっくり全体の流れを作って流れがおかしくないかを確認してから細かい部分を作る
- 各ページの基本レイアウト(フォントや色、文字の大きさ等)を決める
- 完成したら一晩寝かせ、改めて確認をする
見やすいレイアウトを作ることは、一朝一夕ではなかなか難しいかもしれません。こればかりは慣れや経験がものを言ってくるものです。場数を重ね、だんだんと自分の作りやすいレイアウトを確立していきましょう。ヒントとしては企画書を都度漫然と作るだけではなく、何らかの仮説を持って作成し、回を重ねるごとに精度が上がっていくようになることが理想です。
最後に
共通して言えることですが、企画のアイデアというものは一瞬にして頭にひらめいて、その一瞬後に消えていくもの。ですから企画を考えているときは常にメモを取るようにしましょう。せっかく下りてきたアイデアも、忘れてしまったらもったいないですよね。
ウララコミュニケーションズでは紙面構成なども手掛けさせて頂いておりノウハウがあります。些末な事でも構いませんのでお悩みがありましたら一度ご連絡ください。