デザイナーは、依頼されたデザインをクライアントに送ったら仕事終了とはいきません。デザイン納品後、多くの場合クライアントから修正依頼が入り、何度か微調整を行って完了となります。
このとき入る修正は一度もないときもあれば、何度も何度も修正をやることになる場合もあります。直しが多いとデザイナーのモチベーションも下がりやすくなるので、できるだけ修正は少ない方がいい作品になる可能性が高まります。そこで、デザインの修正回数を減らすためのポイントを3つご説明します。
コンセプトをしっかりと伝える
修正が多いとクライアント側もデザイナー側も校正や指示、確認など極めて無駄な時間が発生し、効率がよくありません。最初からコンセプトをデザイナーに伝えておけばスムーズにいくのに、伝達しきれてないために、何度も修正をしないといけないことがよくあります。
この「伝わっていない」という問題は、もちろんデザイナーの理解不足の場合もありますが、クライアントとデザイナーの間に重層的に人が関わり、伝言ゲームになってうまく伝わらないということがあります。意志疎通をよくするためにも発注の際に、できるかぎり直接デザイナーに発注できる体制を作るのも大切なことです。
もちろん、クライアント側でそもそもコンセプトが固まっておらず、制作途中で紆余曲折したり、発注担当者に権限が無く、上司の鶴の一声で大幅な変更が生じてしまったりするのは稚拙の一言に尽きます。
このやり方をしているといいパンフレットや会社案内が作れるはずがありません。いいデザインが出てこない時は、発注側にも問題があるのでは?と考え、見直してみるといいでしょう。
修正が増えたら決定権を持つ方と相談してみる
一般的にクライアントは、デザイン制作の知識が少ない、または全く持っていない方が大半です。そういう方に限って「ちょちょいと直してくれよ」といとも簡単に無理難題を指示することがあります。このようなクライアントの求めのままに修正を行っていては、何度直してもキリがありません。
何度も大幅な修正を求めるクライアントに対しては、権限の少ない担当者だけではなく、最終決定権を持つ人物とコンセプトやデザインの方向性について再度話をしておくと、あまり大工事を行わずに済むでしょう。
最終的に良いものを作るためには修正が必ずしも必要な訳ではありません。一発で良い物が出来上がる事もあれば、修正を重ねて良いものになる事もあります。良いケースとしてはラフ案の段階で互いにある程度完成時のイメージを共有することで、完成後に修正を重ねるのは余りおススメ出来ません。もしある程度デザイナーに任せる場合はラフ案の段階でキッチリ詰めるようにしましょう。
スケジュールはきっちり守る
スケジュールも修正回数に大いに影響します。進行がスムーズにいくとリズム良く修正のやり取りのラリーを行うことができるため、デザイナー側も修正が負担として感じにくくなります。テンポ良くデザインの修正を行うことができると納品もすんなりとできる傾向にあります。
一方で、スケジュールがきちんと整っていない案件は要注意です。納品日が定まっていない案件は、中身がしっかり定まっていない証拠です。制作途中でもデザイン内容が二転三転し、泥沼化してしまいます。発注する場合は、少なくともコンセプトとスケジュールをきちんと整えるとよいでしょう。
繰り返しになりますが、デザインには「これが正解」というものはありません。イメージやニュアンスをクライアントとデザイナーがしっかり共有していなくてはいい作品を作り上げることができません。しかし、どうしてもイメージのズレは起こるため微調整が必要です。修正回数を減らすためには、上記の3点を心がけ、その上でクオリティーやディティールをとことん追求することが理想的です。
ウララコミュニケーションズでは多くの自社・他社問わず数多くの媒体を手掛けております。もしデザインやコンセプトがなかなかまとまらないという方は一度お気軽にご相談ください。