クライアントに自社のサービスを説明するにしても、社内で新規事業を始めるにしても、企画書は欠かすことのできないツールです。そもそも、企画書を作る目的はなんでしょうか?クライアント、上司、エンドユーザー、それぞれ企画書を説明するターゲットがいて、その人たちに伝わることですよね。時には内容を説明する時間すらもらえないこともあります。そんな中でどうすれば伝わる企画書が作れるのでしょうか?企画書を作る際のコツを4つ説明していきます。
コツ1:見やすいレイアウト
企画書はそれ自体が情報です。よくある企画書の失敗例では、ペーパーの中にできる限り情報を詰め込んでしまうことです。そのおかげで1枚当たりの文字数がやたらと多くなってしまい、相手は読むことが必要になり、見る気が失せてしまうのです。忙しいビジネスマンには企画書をじっくりと読んでいる暇はありません。そこで、1ページ当たり、伝えたい情報は1つに限定することが大切です。何を言いたいのかが一目でわかる情報量が適正です。文章を読ませるのではなく、大事なことが自動的に「目に入ってくる」レイアウトが必要なのです。
デザインについて言えば、一つの企画書でフォントは一種類のみ使用しましょう。文字のデザインが増えれば増えるほど、読みづらくなります。色数はメイン、サブ、差しの3色程度に抑えること。それ以上使うと色だけでうるさい資料になってしまいます。
コツ2:説得力を演出する
企画書に説得力は必要不可欠です。説得力は企画の決定を大きく左右するからです。企画書に説得力という武器を装備する方法は3つあります。
1つは「数字を使うこと」です。グラフや表を活用するのも良いでしょう。数字は客観的でもあり、非常に具体的な指標です。比較検討する際にも大いに参考になります。自分自身の企画の根拠として数字を活用すると説得力が増します。
2つ目は「権威を使うこと」です。権威とは、多くの場合社会的な信用が高い人物や機関を指します。例えば、「大学の研究ではこのような発表がされています」と根拠となるデータの出典を明かすことで、該当大学の権威を借りることができます。「国の発表では」などという前置きをつけることで、政府という権威を用いることが可能になります。自分の持っていない信用を他から借りることで説得力を加える方法です。
3つ目は「成功事例」です。過去に成功した事例を提示することで、成功までの具体的な道筋がイメージしやすくなります。
コツ3:企画書にストーリーがある
企画書はただの書類ではありません。読む人の気持ちを揺さぶることが求められます。こちら側の目的としては、興味をもってもらい、納得してもらい、そして採択してもらうという流れがあります。であるならば、企画書もその流れに沿うべきです。ドラマの脚本を作るような気持ちで、「起承転結」を意識してストーリーを作ってみましょう。
「起」は企画書の出発点です。なぜこの企画が必要なのか、キャッチしている課題は何かを提示します。
「承」では課題に対する対策です。目的を明確化し、課題を解決するための仮説(結論)を提案します。
「転」では具体的な内容や、プロセスについて説明します。
「結」で得られる成果や結果についてまとめます。その際に見積もりなどもあるとより検討してもらいやすくなります。
コツ4:安心感を与える
企画書は実現の可能性を感じさせるものでなくてはなりません。こうなったら良いという理想ばかりを書き出しても、実現性に乏しく頭にクエスチョンマークがついてしまうことになります。実現性を高めるには、良いことばかりを提示するのではなく、デメリットについても提示すべきです。デメリットを挙げただけでは不安感しか相手に与えません。そこで、デメリットに対する対応策についてしっかりと提案することで安心感を与えることができるのです。
企画書は自己満足では意味がありません。相手に伝わることこそが最も大切なことです。企画書を作成する際には、まず、誰に何を伝えるのかをイメージし、この4つのコツを意識して作ってみてはいかがでしょうか。