歴史のある病院などの医療機関は節目の年に記念誌制作を行うことがあります。作成する記念誌はこれまでの沿革や概要などを詰め込むため、非常に膨大な情報量となります。当然ページ数もかさむことになるため、読みやすくまとめる工夫が必要になります。どのような工夫すれば読みやすくなるのか、4つの方法についてご説明していきましょう。
3つのカテゴリーに情報を整理
記念誌を制作するとき、多くの場合、沿革、施設概要、設備、決算等経営情報などが含まれます。それらの項目は次の3つのカテゴリーに分けることができます。それは現在、過去、未来の3つです。
沿革やこれまでの経営情報、過去の幹部については過去の情報にカテゴライズされ、施設や部署、設備、研修などについては現在にカテゴライズされます。今後リニューアルする予定の施設や導入予定の医療機器などがあれば、それらの情報は未来ということになります。
いつの時点の情報なのかを整理することで記念誌はぐっと見やすいものになるでしょう。
時系列で並べる
これまでの歩みを説明する際には、様々な角度からの表現が可能になります。人物なのか、施設なのか、サービスなのか、社会の出来事なのか、これらをテーマごとにまとめてしまうととても見づらい年表が出来上がってしまいます。できれば、様々な情報も一つの年表にまとめ、時系列に追うことができるようにするととても見やすくなります。
このとき、社会で起こった主なニュースを一緒に並べることで、この時代の出来事だったのかと思い起こしやすくするという工夫もできるでしょう。
ビジュアルで表現する
記念誌は代表者の挨拶や沿革など、どうしても文字が多くなりがちです。文字ばかりで構成されている記念誌は、正直見にくいものになってしまいます。そこで、ページの各所に写真や図などビジュアルを加えていくことで見やすいレイアウトを作ることができます。
沿革の部分には当時の写真を並べ、施設概要にはそれぞれの施設や設備の写真を加え、さらに見取り図なども加えることでより見やすくなります。部署や系列などを表すのは文章ではなく図でまとめると良いでしょう。
将来完成する施設などに関してはイラストや模型を写真に収めて掲出するとイメージしやすくなります。
カラーバリエーションは少なく
このページはこの色、このページはこの色とページごとに色を変えてしまうとカラフルで非常に見づらい記念誌が出来上がります。章ごとにカラーを変えるのも一つの手法ですが、記念誌全体を考えた統一感のある色の構成も必要です。
基本的には、メインカラーとサブカラー、スポットカラーの3色で構成するとまとまりがあって見やすい冊子になります。どうしても色を追加したい場合は、メインカラー、サブカラー、スポットカラーの3色のどれかを同系色を選択し、薄めか濃いめに色をずらして使うと全体のバランスを損ねずに済みます。
せっかく作った記念誌を一人でも多くの人に読んでもらうためには読ませる工夫が必要です。記念誌作成の折にはご紹介した4つと言わず、たくさんの工夫をしてみてください。