価格や朝食、立地、景色など、ホテルを選ぶ際に大切にするポイントは旅の目的や好みによって人それぞれ。しかし、好みのポイントやサービスについてはじっくり比較してみないとわからないのが実情です。それらを比較検討する前に誰でもやるのがイメージでの選択。パンフレットやホームページをパッと見て今回の旅の目的に合うかどうかをイメージします。そしてあまりに離れているものは詳しく調べずに候補から削除してしまうのです。
ホテルのパンフレットを作る際、イメージを大切にデザイン制作していくことをお勧めします。そこで、ホテルパンフレット作りに欠かせないデザインワークを紹介します。
イメージを決定づけるメインビジュアル
一度もホテルを訪れたことのない人にとって、イメージを決定づけるものはパンフレットのメインビジュアルであると言っても過言ではありません。なぜなら、ホテルを検討している際に最初に目に入ってくるものであり、それが第一印象になるからです。ビジネスを行う上で第一印象が重要であることは、心理学でも認められています。
第一印象で良いイメージを与えることができると、他のものも良いものであると認知してしまいやすい効果を心理学では「ハロー効果」と呼んでいます。メインビジュアルはそれだけ大事なものなのです。
ホテルの“売り”はなんですか?
メインビジュアルに何を持ってくるかはホテルの売りが何かがキーになってきます。海が見える絶景を推したいのであれば窓越しに見える夕日を、地元の海産物料理が特徴であればコースの写真を、海や山などのアクテビティを楽しむのであれば躍動感のある楽しそうな写真を、というようにです。
今はスマホで撮影した写真でもプロ顔負けで撮れますし、画像加工だってアプリで簡単にできてしまいます。しかし、商材を撮る場合はプロにお願いするのがベターです。機材の性能うんぬんではなく、光量の調整やアングル、美味しそうに見せるコツなど経験豊富なプロならではの技術があるからです。
イメージを補うベースカラーの選択
パンフレットをモノクロで作ることは非常に稀です。ほとんどの場合、カラーで作ります。色にはイメージをサポートする効果があるためです。
青をベースカラーにした場合、海や湖のイメージ、緑は山や草原という具合に、場所のイメージが強調されます。紫や金銀をベースカラーにした場合は高級感を印象付けますし、薄い柔らかい色使いをした場合にはヨガやピラティス、温泉などのヒーリング効果を強調することができるでしょう。
もちろん、ベースカラーはメインビジュアルとの相性も大切なので、デザイナーと相談しながら決めていきましょう。
用途によって変わるサイズ
今回作るパンフレットは何用なのでしょうか?サイズやページ数などを決める際にこの問いが重要になってきます。なんのために、誰に読んでもらうために作るのか、です。最もポピュラーなものは三つ折りタイプで、まさしくホテルを利用するお客様に見てもらうために作るケースがほとんどです。三つ折りタイプはサイズもコンパクトで置きやすいため、館内はもちろん、地元の観光協会や道の駅などでも置いてもらいやすくなり、人目につく確率が高まります。
一方で冊子タイプの場合、情報量が多く掲載可能なことから、就職説明会用や企業説明会など人材募集や対取引先向けのものとして考えられるでしょう。目的や用途が明確になればそれに伴って掲載する情報も自ずと決まってきます。