観光産業は、観光客が訪れることでお金が循環していきます。日本全国観光地と言っても誰もが知っている有名観光スポットもあれば、ほとんど知られていないマイナーな観光地もあります。知名度の低いマイナーな観光地に観光客を呼び込むためにはどのようにパンフレットを活用したら良いのか、ランチェスター戦略をベースにご説明します。
パンフレットを差別化
ランチェスター戦略とは、弱者が強者に勝つためにはどうすれば良いかを考えた戦略です。この記事でいう弱者とはマイナー観光地で、強者とはメジャー観光地を指します。
よくある間違いは、マイナー観光地がメジャー観光地と同じ戦略で勝負することです。売れているメジャー観光地のパンフレットを真似て作ったところで、二番煎じどころが三番、四番煎じ、どこかで見たことのあるパッとしないものが出来上がるだけです。ここで弱者であるマイナー観光地が作るべきパンフレットはメジャー観光地と差別化して作るべきです。パンフレットの差別化を図ることで、メジャー観光地にはない魅力を伝えることができるようになります。
ナンバーワンになる
ランチェスター戦略の差別化の手法の一つに、局地戦が挙げられます。特定のポジション、マーケットで勝つという方法です。全国のパンフレットの配布数においてメジャー観光地に勝つことはできませんが、特定のエリア・項目においてナンバーワンになるのです。特定の項目でナンバーワンになったことが注目を集めるきっかけにもなります。
観光スポットのキャッチコピーについても、ナンバーワン表記を行うことで、他の観光地との差別化を図ることが可能になります。また、ナンバーワン表記はコピーとしても使いやすいため、パンフレットの随所で活用することができます。
ただし、ナンバーワン表記は客観的に見てもナンバーワンと明らかなものだけにしないと、読者に誤解を与える可能性がありますので注意しましょう。本当にナンバーワンなのかと指摘を受けたときに、明確に返答できないと表記が逆効果になる恐れがあるためです。
市場を限定する
メジャーな観光地はその知名度から、様々な企業がパンフレットに導入し、様々な場所に置いてあります。東京、大阪、名古屋、福岡など様々な都市にパンフレットを置くことができれば、観光客がやってくるチャンスも増加します。しかし、これは知名度と資金があるからこそできることで、知名度の乏しい観光地ではパンフレットを扱う旅行代理店に営業をかけるのにも一苦労です。
マイナーな観光地がパンフレットを作成し配布する際には、パンフレットを置く市場を限定する必要があります。その市場に一点集中で全資力とマンパワーを投入し、その限定された市場において勝利します。すると、それがきっかけとなって他のエリアでもパンフレットを置いてもらうことができるようになります。
メジャーな観光地のパンフレットをただ模倣しているだけでは、観光客を呼び込むことはできません。自身のオリジナリティを発掘し、魅力についてしっかりと抽出した上で、メジャーどころとの差を明確に打ち出します。同じような場所に行き飽きている観光客は、その差を魅力的に感じるはずです。
違うということは武器です。ぜひその武器を活かして、魅力的なパンフレットを作成しましょう。