住宅パンフレットの場合、文字情報よりも施工事例などの写真を目立たせる方が、仕上がりがおしゃれになりますし、手に取る人にとってもわかりやすいでしょう。ただし、写真のクオリティがパンフレット全体のクオリティを左右することになるので、気を付けなくてはなりません。もちろんプロのカメラマンに任せれば、パッと見たときの印象は問題ないどころか素晴らしいものになりますが、問題は撮影ポイントがそのパンフレットに合っているかどうかです。
外観の写真はいつ・どう撮るかで印象が変わる
人も写真の設定や撮る角度で写り方が大きく変わるように、家もいつ、どう撮るかによって見る人が受け取る印象は違ってきます。撮影時間が朝なら、爽やかさが、昼に撮れば明るさが、夜に撮れば妖艶さが出ます。庭がある家なら、冬に撮ると寂しくなるので、なるべくなら花や木が華やかな春に撮るようにしたいものです。
撮り方については、外観の写真を大胆に見せてスケール感を演出したいなら、正面からの写真より、低い位置からあおるように撮った写真の方が効果的です。また、正面からのカットであっても全景を撮るのではなく一部をフォーカスして撮ることで、読者にリアリティのある質感をアピールすることもできます。外壁がアピールポイントなら、質感の出せるこの撮り方をお勧めします。
内観の写真はアピールポイントをハッキリさせる
内観は場所によって、ポイントが異なります。エリアごとにどう見せたいかを考えてカメラマンに注文をするといいでしょう。
玄関の写真
扉を開けたところから撮るのか、玄関を上がって廊下から撮るのかで印象が違います。廊下の奥行を撮るなら前者、扉や玄関の全体像を撮りたいなら後者になります。家によっては、二階から玄関を見下ろすアングルで撮るとユニークな構図になりいいかもしれません。
リビングの写真
家族がそろうリビングは広々と見せなくてはいけません。家具の設置により、臨機応変にアングルを変えていく必要がありますが、所狭しと並んでいる場合は可能な限り移動させたいところですが、家主さんに許可が取れない場合は、あえて、壁を写さず一部をフォーカスするようにすることで窮屈な印象を与えないようにしましょう。あえて、床の写る範囲を広げることでゆとりを出すこともできます。
広さだけでなく、天井の高さを見せたい場合は、床に寝転がったり、座ったりした状態で撮ってみるとうまくいきます。生活感を出したい場合は、モデルを立てるか、家主さんに登場いただくかして人の顏が見えるようにしましょう。
住宅パンフレットに載せる写真は、撮影難易度が高いのでプロに撮ってもらうべきです。光の加減やアングルなどあらゆる要素を計算して、一番いい光景を切り取るためです。ただ、プロでも限界があります。撮影場所となる家がごちゃごちゃしていて、清掃が行き届いていなければ、魅力的な写真にはなりかねます。なので、どの家を施工事例として紹介するのか、その選び方もポイントになります。