社内報を発行する企業が増えています。私たち「ウララコミュニケーションズ」もいくつかの社内報の制作をお手伝いさせていただいています。制作に関するご相談をいただくときに、さまざまなお話をさせていただくことがあり、そこではお互いに忌憚のない意見を交わすこともあります。そんなときに話題となったことなどを、社内報を作る制作担当者が独り言的に紹介させていただきます。
古き悪しき社内報
このWebサイトを運営している私たちウララコミュニケーションズが得意としている制作物の一つ「社内報」です。みなさんは社内報にどんなイメージを持っていますか? ある印刷会社の調査によると、所属する企業で社内報があると答えた人は50%。従業員規模が101人以上の企業で社内報があると答えた人は67%にのぼりました。
社内報を発行する企業が多いということがわかりますが、実際にお見せいただく社内報の中には首をひねりたくなるようなものも少なくありません。頭の固そうな社長のひきつった笑顔の写真と、「誰が読むんだ!」とツッコミたくなるような長い訓示、複雑な社内の組織図、社屋の外観と住所のみが掲載された謎の地方支社紹介などなど・・・。
発行する、そのこと自体が目的だった時代の社内報には、退屈なコンテンツがあふれており、社内の注目度も低く、コストカットの対象となっていたこともうなずけます。
新しいコミュニケーションツールとして注目される社内報
ところがここにきて、丁寧に取材し、デザインにこだわり、印刷した社内報を制作したいと相談をいただくことが増えています。
もともと社内報の発行にはいくつかのメリットがあります。会社の価値観や文化、重要なニュース、人事情報などを全社員が共有できます。各部署や社員の取り組みの紹介などにより、一体感の醸成に役立てられます。そのほか、社員同士のつながりを強化するためのさまざまな工夫をすることでより良い社内報とすることが可能です。
お客様と話していると、社内報は旧来からあったメディアですが、あらためてこうしたメリットが再認識され、新たなコミュニケ―ションツールとして注目されるようになったことを実感しています。社員に配布される、印刷された社内報は手に取って読むことができて注意を引きやすく、また社員同士のコミュニケーションのきっかけにもなります。家庭に持ち帰れば、夫や妻、あるいは子どもがどんな雰囲気の会社で働いているかの理解も進みます。
あふれるデジタル情報に疲れを感じる社員にとって、紙に印刷され、製本された社内報を読むことはリフレッシュの機会ともなります。視覚的で質感のある紙媒体は、企業文化やメッセージをより強く印象付ける効果もありますし、同僚や先輩、後輩の動向だけでなく、他部署の状況を知ることもできるため、社内コミュニケーションを強化するツールとしても役立ちます。
印刷された社内報は形に残るため、企業の歴史を保存する役割も果たし、社員一人ひとりの心をつなぐツールとして、再評価されているのです。
発行が楽しみになる社内報に
数多くの社内報を制作していると、普段見ることのできない企業の裏側に触れることもあります。
ある企業の社内報では、毎号、社員が趣味や特技を紹介するコーナーが非常に人気となっていますが、想像以上に個性的で多才な社員が多いことに毎回驚かされます。また、社員同士の交流を促進するため、謎解きゲームやリモートワーク中のオンラインイベント情報を社内報で共有するなど、ユニークな試みも印象的でした。
全国に支社を持つ別の企業では、支社の社員の方々が、その土地の名店を紹介しているのですが、旅行ガイドブックにも載っていない「知る人ぞ知る」郷土料理の名店がずらりと並び、企業の社員さんとその家族にとっては、永久保存版の一冊となったことでしょう。
このようにコンテンツに工夫をすることで、社内報をいきいきとしたものに変えることが可能です。発行が待ち遠しく、楽しみになるような社内報を作っていきましょう。