会社案内を制作する際に悩むのがデザインです。デザインは個人的な嗜好に左右される要素が大きいため、ある人が見たらこのデザインは良いと思うけど、他の人が見たら別のデザインが良いと感じる事はザラにあります。
そのため実は会社案内の制作で会社・制作者ともに一番大変なのはデザインの認識合わせだったりします。ここではその大変なデザインの決定方法についてデザインタイプと共にご紹介いたします。ぜひ参考にしてみてください。
会社案内のタイプと特徴
デザインに入る前にまずは会社案内にはどういった種類があるかおさらいしておきましょう。
中綴じ型の会社案内
中綴じ型の会社案内は最もベーシックな会社案内です。A4サイズの用紙を中央で綴じる形式が一番多いタイプです。ページ数は4の倍数で構成されるため、このタイプをお考えの方はその点も考慮されるとよいでしょう。
見開きの会社案内
見開きの会社案内は営業用として利用頻度が高いタイプの会社案内です。冊子のようにボリュームが多くなく費用感も安く抑えることが可能です。またサイズが小さいため嵩張ることがなく説明会や展示会などにも配置しやすくなっています。会社案内だけではなく商品説明などにも最適です。
タイプとしては観音開き、または片面がA4サイズの形式が多いです。
リーフレットタイプの会社案内
リーフレットタイプは手軽に手に取ることができる簡易なバージョンです。A4を一枚使い折りたたんで構成される細身の会社案内です。サイズに制約があるため余りにも情報を詰め込んでしまうと読みづらくなってしまう点に注意が必要です。
以上が主流の会社案内の形状です。もちろん中にはイレギュラーなものもありますが、おおよそ上記のいずれかの形で作られることがほとんどです。では続いてこれらの用紙に行うデザインについて考えてみましょう。
会社案内デザインは表紙のイメージ固めから
会社案内は、会社のことを知ってもらうために作成するもの。ページの許す限り会社の魅力をアピールしたいのは当然のことです。最初にお客様の目に入るのは表紙。会社の第一印象を決めるといっても過言ではないので、何度もチェックしてより良い表紙を作ることは確かに重要なのですが、具体的に「こうしたい」というイメージがないと、会社案内の制作自体が難航する恐れがあります。
会社の強みやイメージがしっかり固まっていないと、あれもこれもと内容と詰め込み過ぎて何が言いたいのか分からなくなったり、あーでもないこーでもないと完成の着地点を見失ってしまうことが多々あります。会社の強みやイメージをしっかりと共有し、満足いく表紙デザインを考えましょう。
表紙のデザインについての解説記事はこちら
会社案内で伝えたいメッセージのイメージを固める
デザインはメッセージのイメージに沿って作られます。たとえば「最先端の製品を提供している技術に自信がある!」というメッセージがあるなら、都会的でスタイリッシュに。「社会貢献でお客様の生活を豊かにしたい!」というメッセージなら、アットホームでハートフルなデザインにします。キャッチやタイトルを入れる場合も、そのメッセージの内容によってフォントのデザインも変えていきます。
好感を持ってもらうための会社案内の作り方はこちら
決裁者が気に入った会社案内のデザインを共有する
デザインの良し悪しは主観によって変わることがあります。担当者が良いと思った表紙デザインも、社長が見たらイマイチということや、その逆もあります。なので、初めから決裁者の方が気に入った会社案内のデザインを共有しておくと、どのような表紙を作ればいいのかポイントを絞ることができます。当社の場合、最初の打ち合わせの際に既存の会社案内を多数持参しますので、「好み」や「いいな」と思ったものを教えてくださるだけで結構です。
会社案内の表紙は、会社の理念や方針をビジュアル化したものであり、何を実現するために企業活動をしているか明確にしたものです。これをカタチにするためには、御社が会社案内で伝えたいことや、求めるイメージ像を存分に聞かせてください。それにより、キーカラーはどうするか、ロゴをどう配置するか、文字の書体はどうするかといったデザインを決めていきます。
デザインの好みについてはこちら
実は重要なデザインと什器とのマッチング
会社案内はそれ自体のデザインもそうですが、受け取りやすくなるように配置する什器とのマッチングも大事です。マッチングを考える上でどういったことに気をつければ良いのでしょうか。
ちゃんと見える位置に会社案内の配置を
会社案内を配布するには、営業シーンで直接渡す以外にもオフィスの什器や展示会のブースに設置する方法があります。陳列台やラックなどの什器に設置する場合、通りがかった人や興味がある人の目に留まることが大切です。
会社案内を手渡しで配布するのとは違ってパンフレットスタンドに入れておく場合、通行人の視界に入ったわずかな時間しかアピールすることができません。
パンフレットスタンドに会社案内を入れた時に肝心な部分が隠れていると、何のパンフレットなのか分からなくなってしまいます。会社案内をデザインする前に使用する陳列台やラックを今一度確認して、設置された時にどう見えるかを考慮した表紙をデザインしましょう。
取りたくなるパンフレットスタンドをデザインする
会社案内だけでなく、各種パンフレットやカタログ、チラシなども一緒にスタンドに入っているのをしばしば見かけます。綺麗に整理されているようですが、いかにも事務的で味気ない印象に感じられます。
それぞれのデザインを統一してブランディングを図る方法もありますが、みな同じ配色でタイトルだけを変えた場合、什器のデザインによっては埋没してしまう可能性もあります。
そのため、什器そのものからデザインすることもご提案いたします。たとえば費用をかけずともPOPのように印刷したダンボールを組み立てて什器にするといった事でも、事務的な什器にはない、目を引くディスプレイで会社案内を手に取りやすくさせます。
企業情報の入口はまず会社案内からです。会社案内を手に取ってもらえないことには、他のツールにも手が伸びないかもしれません。効果の上がる会社案内を制作するには、什器のデザインは重要な要素の一つなのです。
驚きを持たせて読む人の興味を引こう
写真を大胆に使ってみよう
会社案内のデザインは千差万別ですが、皆さんの中に「会社案内ってこういうもんでしょ?」というイメージはありますよね。そのイメージを裏切ることで相手に興味・関心が生まれます。
たとえば、代表取締役の挨拶は会社案内の定番コンテンツですが、レイアウトのパターンは似たり寄ったりなところがあります。それを見開きで顏写真をバーンと載せて、ギザギザな吹き出しをつければインパクトもあって、相手の印象に残ることは間違いなし!
その会社がどういう理念で企業活動をしているのかということはなかなか興味を持ってもらえないところですが、こうした仕掛けで読ませるようにできるのです。驚かせたかったら、「えっ、こんなに?」ってぐらい写真を大きくしたり、伝えたいことを漫画の吹き出しのようにしましょう。
遊び心あるページで相手との心理的距離を近づけよう
沿革も会社案内には欠かせないコンテンツです。なのに、読み飛ばされていませんか?年々成長していることをアピールすることで、信頼を得られるページなのにもったいないことです。そこで、思い切って人生ゲームみたいにしてはどうでしょうか? そうすると遊びながら、これまでの歩みを見てもらえますね。
「うちの会社の歴史ではそんなものは作れない!」
というお叱りを受けるなら、漫画にしてはどうでしょうか? それとも「昔々あるところに・・・」と昔話風にするとか。
いずれにしても、流れるように読めるようにしてあげないと結局つくったのに見てもらえないという存在感のないページになってしまいます。会社案内というのは、基本的に入れるコンテンツは決まっていますが、今まで見たことのないような見せ方にすることで、手に取った人をびっくりさせて面白い会社だと認識してもらえる可能性があるのです。
こういうアイデアを出すと「ふざけるな!」という声が聞こえてきそうですが、ふざけているわけではありません。本気で提案しています!
というのも会社案内を読ませるというのは実はすごく難しいことで、大抵はポイッと捨てられてしまいます。そうならないために思い切ったアイデアを取り入れて見る人をびっくりさせるのです。こういった手法は事業が固いイメージがある業態、あるいは長く伝統がある企業様の場合、より効果的に働きます。
特にインパクトのある会社案内を作りたい、面白い会社案内を作りたいとお考えなら、よくあるデザインに縛られず、チャレンジしてみるのはいかがでしょうか?
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